生成行列とは、あるベクトル空間の部分ベクトル空間の基底ベクトルを行ベクトルにして並べた行列のことです。
\(k\)行\(n\)列の生成行列を\(G\)、\(k\)次元ベクトルを行ベクトル\(\boldsymbol{v}\)で表現する場合、\(\boldsymbol{v}G\)により、\(\boldsymbol{v}\)は、n次元ベクトル空間に線形写像*されます。ただし、\(\boldsymbol{v}G\)は、\(k\)次元部分ベクトル空間上のn次元ベクトルです。
例えば、3次元ベクトル空間の2次元部分ベクトル空間の基底ベクトルを\((a_1, a_2, a_3)\)と\((b_1, b_2, b_3)\)とした場合、生成行列\(G\)は、以下になります。
\[G=\begin{pmatrix} a_1 & a_2 & a_3 \\ b_1 & b_2 & b_3 \\ \end{pmatrix}\]
2次元ベクトルを\(\boldsymbol{v}=(v_1, v_2)\)とした場合、以下の計算により、\(\boldsymbol{v}\)は、3次元ベクトル空間に線形写像されます。
\[\boldsymbol{v}G=\begin{pmatrix} v_1 & v_2 \\ \end{pmatrix}\begin{pmatrix} a_1 & a_2 & a_3 \\ b_1 & b_2 & b_3 \\ \end{pmatrix}\]
このとき、\(\boldsymbol{v}G\)は、3次元ベクトル空間内で\(G\)によって定義される2次元部分ベクトル空間内のベクトルになります。
なお、生成行列の仕組みは、幾何ベクトルの線形写像の作用により説明できます。