フーリエ係数を求める式の証明をします。
フーリエ級数の直交性より、フーリエ級数の無限個のcos波とsin波を無限次元ベクトルで表現した場合、それらのベクトルは互いに直交しています。
よって、それらのベクトルは、直交基底と言えます。
なので、周期的な波を表す周期関数\(f(t)\)をその直交基底に直交射影することでフーリエ級数展開できます。
そして、直交基底に直交射影したベクトルの性質より、フーリエ級数は、\(f(t)\)と言えます。
\(a_{0}\sim a_{n}\)は、fcos(nω_[0]]t)にfff(t)を直交射影することにより求めることができます。
周期的な波\(f(t)\)の周期を\(T\)とした場合、fcos(nω_[0]]t)を\(0\leq t\leq T\)の範囲で無限次元ベクトルで表現したものをvec[c]]_[n]] 、fff(t)を\(0\leq t\leq T\)の範囲で無限次元ベクトルで表現したものを vec[[f]]とした場合、 vec[[f]]をvec[c]]_[n]]に直交射影させると、直交射影されたベクトルは以下になります。
\[\frac{\boldsymbol{c}_{n}\cdot \boldsymbol{f}}{\boldsymbol{c}_{n}\cdot \boldsymbol{c}_{n}}\boldsymbol{c}_{n}\]
無限次元ベクトルで表現された関数の内積を使って、式を変形すると以下になります。
\[=\frac{\displaystyle \int_{0}^{T}\cos(n\omega_0 t)f(t)dt}{\displaystyle \int_{0}^{T}\cos(n\omega_0 t)\cos(n\omega_0 t)dt}\boldsymbol{c}_{n}\]
cos関数の倍角公式を変形して、\((\cos(\theta ))^{2}=\displaystyle\frac{1+\cos(2\theta )}{2}\)を作ります。この式を使って、上記の式の分母を変形します。
\[=\frac{\displaystyle \int_{0}^{T}\cos(n\omega_0 t)f(t)dt}{\displaystyle \int_{0}^{T}\frac{1+\cos(2n\omega_0 t)}{2}dt}\boldsymbol{c}_{n}\]
さらに、定積分の線形性を使って、分母を変形します。\(\boldsymbol{c}_{n}\)は関数に戻しておきます。
\[=\frac{\displaystyle \int_{0}^{T}\cos(n\omega_0 t)f(t)dt}{\displaystyle\frac{1}{2}\left ( \displaystyle \int_{0}^{T}1dt+\displaystyle \int_{0}^{T}\cos(2n\omega_0 t)dt \right )}\cos(n\omega_0 t)\cdots(式1)\]
\(n>0\)のとき、分母の定積分を解くと、以下になります。
\[=\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}\cos(n\omega_0 t)f(t)dt\cos(n\omega_0 t)\]
\(a_{n}=\displaystyle\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}\cos(n\omega_0 t)f(t)dt\)と置きます。
\[=a_{n}\cos(n\omega_0 t)\]
フーリエ級数の一部の表現となりました。\(a_{1}\sim a_{n}\)を求める式を証明できました。
一方、式1に対して、\(n=0\)のとき、以下になります。
\[=\frac{1}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}f(t)dt\]
よって、\(a_{0}\)を求める式も証明できました。
\(b_{1}\sim b_{n}\)は、fsin(nω_[0]]t)にfff(t)を直交射影することにより求めることができます。
証明方法は、a_[1]]~a_[n]]を求める式の証明とほぼ同じなので省略します。