連鎖律(合成関数の微分)

連鎖律とは、合成関数の微分を行う際に利用できる手法のことです。

例えば、合成関数fff(g(x))の微分は、連鎖律で以下のように行えます。

\[\left ( f(g(x)) \right )'=\frac{df}{dg}\frac{dg}{dx}\]

これが連鎖律です。

同様に、合成関数fff(g(h(x)))の微分は、連鎖律で以下のように行えます。

\[\left ( f(g(h(x)) \right )'=\frac{df}{dg}\frac{dg}{dh}\frac{dh}{dx}\]

連鎖律の具体例

例えば、fff(x)=(x^[2]]+3x+4)^[5]]の微分f'(x)を連鎖律で行なってみます。

まず、g(x)=x^[2]]+3x+4と置きます。すると、fff(g)=g^[5]]が得られます。それぞれ微分すると以下になります。

df/dg =5g^[4]]

dg/dx =2x+3

連鎖律を使って、df/dxを求めると以下になります。

df/dx=df/dg dg/dx =5g^[4]]・(2x+3)

gx^[2]]+3x+4を代入します。

=5(x^[2]]+3x+4)^[4]]・(2x+3)

f'(x)が求められました。

連鎖律の証明

合成関数fff(g(x))の微分は、連鎖律を使って以下のように表せます。

\[\left ( f(g(x)) \right )'=\frac{df}{dg}\frac{dg}{dx}\]

\[=\displaystyle \lim_{\Delta g \to 0}\frac{f(g+\Delta g)-f(g)}{\Delta g}\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}\frac{g(x+\Delta x)-g(x)}{\Delta x}\]

Δg=g(x+Δx)-g(x)g=g(x)と言えるので、以下のように変形します。

\[=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}\frac{f(g(x+\Delta x))-f(g(x))}{g(x+\Delta x)-g(x)}\displaystyle \frac{g(x+\Delta x)-g(x)}{\Delta x}\]

約分します。

\[=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}\displaystyle \frac{f(g(x+\Delta x))-f(g(x))}{\Delta x}\]

fff(g(x))の導関数が得られました。よって、連鎖律は成り立っています。