ソレノイドの内側の磁場

1 ___m__当たりにn回巻いた無限に長いソレノイドに電流I [___A__]を流すと、ソレノイドの内側は、nI [___N/Wb__]の一様な磁場になります。

なお、適当な長さのソレノイドの場合は、ソレノイドの長さに応じて、長さ方向の端から一様な磁場が崩れます。

ソレノイドの内側が一様な磁場になる理由

以下は、1 ___m__当たりにn回巻いたソレノイドの断面図です。青い矢印は、ソレノイドの中心軸の磁場です。

無限に長いソレノイドの中心軸の磁場の強さは、nI [___N/Wb__]です。よって、1 ___Wb__の磁気が上記の中心軸を通る経路l [___m__]を移動すると、磁場がする仕事は、nIl [___J__](1)になります。

また、ソレノイドの内側は、どの位置でも導線の断面が左右対称に存在するため、縦方向の成分は打ち消され、中心軸以外の磁場の向きも中心軸の磁場と同じ向きになります。よって、縦方向の経路において、磁場がする仕事は、0 [___J__](2)です。

また、上記の経路は、電流を囲まないため、アンペールの法則より、磁場がする仕事は、0 [___J__](3)です。

最後に、中心軸と平行な下側の経路に対して、磁場がする仕事をW [___J__]と置いた場合、以下の式が成り立ちます。

(1)+(2)+W=(3)

(1)~(3)を代入すると、nIl+0+W=0なので、W=ーnIlとなります。よって、中心軸と平行な下側の経路の磁場は、中心軸の磁場と同じになります。

中心軸と平行な下側の経路の位置を平行移動しても結果は同じなので、ソレノイドの内側は一様な磁場となります。