対角化

対角化とは、\(n\)個の線形独立な固有ベクトルを持つ\(n\)次の正方行列を相似な行列かつ対角行列に変換することです。

ある\(n\)次の正方行列\(A\)\(n\)個の線形独立な固有ベクトルを持つ場合、それらの固有値を対角成分に並べて対角行列を作ることにより、行列\(A\)を対角化できます。

このとき、それらの固有ベクトルを列ベクトルにして並べて作った正方行列を\(P\)、対角化した行列を\(D\)とした場合、以下の関係が成り立ちます。

\[D=P^{-1}AP\]

具体例

例えば、3次の正方行列\(A\)が3個の線形独立な固有ベクトル\(\boldsymbol{v}_1, \boldsymbol{v}_2, \boldsymbol{v}_3\)を持っている場合、それらの固有値\(\lambda_1, \lambda_2, \lambda_3\)を使って、以下のように対角化できます。

\[\begin{pmatrix} \lambda_1 & 0 & 0 \\ 0 & \lambda_2 & 0 \\ 0 & 0 & \lambda_3 \\ \end{pmatrix}\]

このとき、固有ベクトル\(\boldsymbol{v}_1, \boldsymbol{v}_2, \boldsymbol{v}_3\)を列ベクトルとして並べて作った正方行列を\(P=(\boldsymbol{v}_1 \ \boldsymbol{v}_2 \ \boldsymbol{v}_3)\)とした場合、以下の関係が成り立ちます。

\[\begin{pmatrix} \lambda_1 & 0 & 0 \\ 0 & \lambda_2 & 0 \\ 0 & 0 & \lambda_3 \\ \end{pmatrix}=P^{-1}AP\]