中心極限定理とは、標本平均に関する以下の定理のことです。
・平均が\(\mu\)、分散が\(\sigma^2\)である同じ母集団から独立に抽出された標本の標本平均の確率分布は、標本サイズ\(n\)を大きくしていくと、期待値が\(\mu\)、分散が\(\displaystyle\frac{\sigma^2}{n}\)である正規分布に収束します。
なお、標本平均の分散が\(\displaystyle\frac{\sigma^2}{n}\)になることは、標本平均の標準誤差が\(\displaystyle\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\)であることから導かれます。
また、標本サイズに関係なく、標本平均の期待値は、\(\mu\)です。
サイコロを投げた際に出る目の標本平均の確率分布が標本サイズを大きくしていくと、正規分布に収束することを確認します。
母集団を6面体のサイコロを無限回振ったときのそれぞれの目とします。
このとき、標本サイズ\(n\)の標本平均は、サイコロを\(n\)回振ったときのそれぞれの目の合計を\(n\)で割ったものとなります。
以下のグラフは、\(n=2\)で標本の抽出をシミュレーションで繰り返して、標本平均をヒストグラムにしたものです。
同様に、\(n\)を大きくしていき、ヒストグラムの変化を見てみます。
【n=3】
【n=5】
【n=10】
このように、標本サイズ\(n\)を大きくしていくと、ヒストグラムが正規分布に収束することが分かります。
なお、ヒストグラムは確率分布ではないですが、それぞれの度数を標本の数で割れば、上記のグラフと同じ形の確率分布になります。