ラプラス変換

ラプラス変換とは、以下の式で時間領域の関数\(g(t)\)をs領域の関数\(F(s)\)に変換することです。

\[F(s)=\int_{0}^{\infty }g(t)e^{-st}dt\]

時間領域では難しい計算がs領域では容易にできる場合があります。

また、時間領域の関数をs領域の関数に変換することで時間領域ではできない解析が可能となります。

収束域

\(g(t)\)が収束しない場合でも\(s\)の実部を調整することで多くの場合、\(F(s)\)を収束させることができます。

\(F(s)\)が収束する\(s\)の実部の範囲のことを収束域と呼びます。

ラプラス変換は、収束域で利用することが基本となります。

詳細

\(s=\sigma+i\omega\)とした場合、ラプラス変換は、以下になります。

\[F(s)=\int_{0}^{\infty }g(t)e^{-(\sigma+i\omega)t}dt\]

指数法則を使って、以下のように変形します。

\[=\int_{0}^{\infty }g(t)e^{-\sigma t}e^{-i\omega t}dt\]

\(e^{-\sigma t}\)は、\(\sigma>0\)のとき、以下のようなグラフになります。

よって、\(e^{-\sigma t}\)\(g(t)\)に掛けることにより、\(g(t)\)を収束させることができます。

ラプラス変換の積分区間が0から始まる理由

ラプラス変換の積分区間が0から始まっているのは、あらゆる事象は、時刻0からの変化として考えることができるためです。

積分区間を0からにすることにより、ラプラス変換を単純化し、かつ実用的なものとします。

\(s\)の虚部の役割

ラプラス変換の\(s\)の虚部があることで\(F(s)\)は、複素数を入力変数とした振る舞いを表現できるようになり、解析の表現力が大幅に向上します。

ラプラス変換の例

例えば、sin関数である\(\sin (a t)\)をラプラス変換すると、\(\mathrm{Re}(s)>0\)の収束域で結果が収束し、以下になります。

\[F(s)=\int_{0}^{\infty }\sin (a t)e^{-s t}dt=\frac{a}{s^2+a^2}\]