ベクトルとは、大きさとその大きさの方向の情報を持った概念のことです。
例えば、以下は、xyの2次元空間上のベクトルです。
また、ベクトルは、大きさと方向の情報しか持たないため、位置情報を持ちません。なので、お互いに並行関係にある以下の二つのベクトルは、全く同じベクトルを意味しています。
以降の目次
ベクトルを表す記号は、主に以下の2つの方法があります。
1. 小文字のアルファベットの上に矢印を付ける
例えば、のようにベクトルを表します。
2. 小文字で太字のアルファベット
例えば、aのようにベクトルを表します。ただし、手書きの場合は、太字を使うことができないため、矢印を付ける方法が一般的です。
コグニカルでは、視認性が良いため、2の方法を使用します。
ベクトルの成分とは、ベクトルの大きさと方向を決定付ける数値のことです。
2次元空間上のベクトルは、x成分とy成分の2つの数値で表現できます。例えば、x成分が2、y成分が3であるベクトルaは、(2, 3)と表現します。
以下は、このベクトルaを2次元空間上で表現したものです。
aを並行移動して、aの始点が座標の原点でなくなったとしてもa=(2, 3)となります。前述したようにベクトルは、位置情報を持たないためです。なので、(2, 3)の2や3は、座標ではなく、成分と呼ばれます。
ベクトルに−1を掛けると、ベクトルの向きを逆方向にすることができます。例えば、a=(2, 3)に−1を掛けると、−a=(−2, −3)になります。
例えば、以下の二つのベクトルを足したい場合は、
bを以下のように平行移動させて、
aの始点からbの終点に矢印を引いたものがベクトルa+bになります。
上記のベクトルの足し算を式で書くと以下になります。
a=(2, 6)
b=(5, 3)
a+b=(2+5, 6+3)=(7, 9)
例えば、以下のaからbを引きたい場合は、
bに−1を掛けて、
aと−bを足します。
上記のベクトルの引き算を式で書くと以下になります。
a=(2, 6)
b=(5, 3)
a−b=(2−5, 6−3)=(−3, 3)
なお、上記のベクトルの引き算は、結果的に以下のようにbの先端からaの先端に矢印を引くのと同じです。