電気信号の反射

電気信号の反射とは、電気信号の経路となる導線のインピーダンスが途中で変化した場合に、その変化点で電気信号が反射することです。

インピーダンスが途中で大きくなる場合の反射

インピーダンスが均一な導線が途中で切れている場合、電圧のパルスを導線に加えると、以下のように反射します。(途中でインピーダンスが無限大になる場合)

このとき、導線上の電圧の変化は、横波の自由端反射のように変化します。

なお、インピーダンスが均一な導線の途中(赤色)でインピーダンスが大きくなる場合、青色と赤色の境界での反射波の振幅は小さくなります。

赤色のインピーダンスが青色のインピーダンスに近付くにつれて、青色と赤色の境界での反射波の振幅は小さくなります。

インピーダンスが途中で小さくなる場合の反射

インピーダンスが均一な導線の終端がGNDに接続されている場合は、電圧のパルスを導線に加えると、以下のように電圧が反転して反射します。(途中でインピーダンスが0Ωになる場合)

このとき、導線上の電圧の変化は、横波の固定端反射のように変化します。

なお、インピーダンスが均一な導線の途中(緑色)でインピーダンスが小さくなる場合、青色と緑色の境界での反射波の振幅は小さくなります。

緑色のインピーダンスが青色のインピーダンスに近付くにつれて、青色と緑色の境界での反射波の振幅は小さくなります。

電気信号がインピーダンスの変化で反射する理由

インピーダンスが均一な導線が途中で切れている場合、電圧のパルスを導線に加えると、導線中の陽イオン(赤色)は以下のように変化します。

赤色の丸が大きくなるとき、単位体積当たりの陽イオンの数が多くなるとします。行きは、電源による電場の変化により、自由電子が左にシフトし、陽イオンが作られます。電場の変化が導線の端まで行き、電場の変化がなくなると、右端に偏った陽イオンに自由電子が引きつけられ、陽イオンが左にシフトしていき、反射波が作られます。

一方、インピーダンスが均一な導線の終端がGNDに接続されている場合は、電圧のパルスを導線に加えると、導線中の陽イオン(赤色)と陰イオン(青色)は以下のように変化します。

青色の丸が大きくなるとき、単位体積当たりの陰イオンの数が多くなるとします。行きは、電源による電場の変化により、自由電子が左にシフトし、陽イオンが作られます。電場の変化がGNDに達すると、より多くの自由電子が左にシフトし、GNDの左横の導線では自由電子の数が過剰になります。これにより、陰イオンが作られ、電圧が反転した反射波が作られます。