電子バンド構造とは、ある固体のエネルギーバンドやバンドギャップの構造のことです。
導体の電子バンド構造は、価電子帯と伝導帯が重なっています。
よって、束縛電子が満席ではないエネルギーバンドとなり、電子が移動しやすい状態となります。
このときの移動しやすい電子が自由電子です。
不導体の電子バンド構造は、価電子帯と伝導帯のバンドギャップが大きくなっています。
不導体の温度が絶対零度のとき、伝導帯では電子が空のため、不導体に電圧を加えても、電流が流れません。
不導体の温度が絶対零度よりも高くなると、励起されて価電子帯の電子が伝導帯に移ります。このとき、温度が高いほど、伝導帯の電子が多くなります。よって、絶対零度でなければ、不導体に電圧を加えると、電流が流れます。ただし、導体と比べると、流れる電流は微小です。
つまり、不導体は、電気抵抗が非常に大きいです。不導体の温度を上げると電気抵抗が下がりますが、それでも導体よりは電気抵抗が十分高いです。
不導体に大きな電流を流すには、絶縁破壊する必要があります。