内積を用いた座標変換

以下のように、例えば、\(x\)座標が15の点\(A\)があった場合に、点\(B\)を原点とした新しい座標系での点\(A\)\(x\)座標を求める方法を説明します。

まず、ベクトル\(\boldsymbol{OA}\)から\(\boldsymbol{OB}\)を引いて、ベクトル\(\boldsymbol{BA}\)を求めます。

次に、新しい座標系での\(x\)軸と同じ方向の単位ベクトル\(\boldsymbol{u}\)(赤色)が与えられているとして、\(\boldsymbol{BA}\)\(\boldsymbol{u}\)の内積を求めると新しい座標系での\(x\)座標が求まります。

なお、\(y\)座標の座標変換も同様の手順です。つまり、新しい座標系での\(y\)軸と同じ方向の単位ベクトルと\(\boldsymbol{BA}\)との内積を求めれば、新しい座標系での\(y\)座標が求まります。

なお、3次元以上の座標変換も同じ手順で座標変換できます。

証明

上記の\(\boldsymbol{BA}\)\(\boldsymbol{u}\)の内積は、内積の幾何学的な定義より、以下のように表せます。

\[\boldsymbol{BA}\cdot \boldsymbol{u}=||\boldsymbol{BA}||||\boldsymbol{u}||\cos(\theta)\]

\(||\boldsymbol{u}||=1\)なので、以下になります。

\[=||\boldsymbol{BA}||\cos(\theta)\]

\(||\boldsymbol{BA}||\cos(\theta)\)は、新しい座標系での\(x\)座標であることが分かります。