デジタル信号におけるエイリアスとナイキスト周波数

デジタル信号におけるエイリアスとは、アナログ信号をデジタル信号に変換した際に発生する元のアナログ信号には存在しない偽の信号のことです。

例えば、以下のい波をアナログ信号、点をサンプリングしたデジタルデータとした場合、青い波がエイリアスです。

エイリアスは、サンプリングした点が取り得る波の中で元の信号よりも周波数が低い波があった場合に発生します。エイリアスが発生するとい波は失われます。よって、音楽などでエイリアスが発生すると本来はない音なのでノイズとして聞こえます。エイリアスによって発生するノイズのことを折り返し雑音エイリアシング)と言います。

エイリアスが発生する条件

例えば、サンプリング周波数が2kHzだった場合、サンプリングする単振動波のアナログ信号の周波数をfとすると、f >=1kHzでエイリアスが発生し、f <=2kHzのときのエイリアスの周波数は、2kHz-fとなります。

具体例として、1.2kHzの単振動波のアナログ信号をサンプリング周波数2kHzでデジタル信号に変換すると、0.8kHzのエイリアスが発生します。

上記のようにサンプリング周波数の半分の位置を軸として、元の信号を折り返したようにエイリアスが発生するため、折り返し雑音と呼ばれます。

エイリアスが発生する条件の一般化

サンプリング周波数をfsとしてエイリアスが発生する条件を一般化すると、サンプリングする単振動波のアナログ信号の周波数をfとすると、f >= fs / 2でエイリアスが発生し、f <= fsのときのエイリアスの周波数は、fs-fとなります。

なお、fs / 2のことをナイキスト周波数と呼びます。

また、単振動波で上記の条件を定義しましたが、すべての波はどんなに複雑な波でも単振動波の重ね合わせでできているため、上記の条件はあらゆる波に対して利用できます。