調和平均とは、\(n\)個の正数\(a_1,a_2,\cdots ,a_n\)に対して、以下の計算で定義されるものです。
\[H=\frac{n}{\displaystyle\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots +\frac{1}{a_n}}\]
例えば、二つの異なる速さでの往復の平均の速さは、その二つの速さの調和平均と一致します。
A地点からB地点までの道のりを\(l\)(km)、AからBの速さを\(v_1\)(km/h)、BからAの速さを\(v_2\)(km/h)とした場合、往復の平均の速さ\(v\)は、以下のように求められます。
\[v=\frac{2l}{\displaystyle\frac{l}{v_1}+\frac{l}{v_2}}=\frac{2}{\displaystyle\frac{1}{v_1}+\frac{1}{v_2}}\]
\(2l\)は往復の距離、\(\displaystyle\frac{l}{v_1}\)はAからBの所要時間、\(\displaystyle\frac{l}{v_2}\)はBからAの所要時間です。