ベクトルで表現された単純な波

cos波とsin波の足し合わせで作る単純な波を\(a\cos(\omega t)+b\sin(\omega t)\)とした場合、その単純な波はベクトルで\((a, -b)\)と表現できます。

導出方法

角周波数が同じで位相差が90度のcos波とsin波の内積は0なので、それらのcos波とsin波は、無限次元ベクトルとして捉えると、直交しています。

よって、無限次元ベクトルで表現された\(\cos(\omega t)\)\(\sin(\omega t)\)をそれぞれ2次元の単位ベクトルと定義すると、\(a\cos(\omega t)\)\(b\sin(\omega t)\)は、以下のように2次元空間上で表現できます。青色のベクトルは大きさが\(a\)、赤色のベクトルは大きさが\(b\)です。

青色のベクトルを右向き、赤色のベクトルを下向きにした理由は、位相の進みを三角関数と同じように反時計回りで表現した場合に、sin波は、cos波よりも位相が90°遅れていることを表現するためです。

また、青色と赤色のベクトルを足し合わせたベクトルは、ベクトルで表現された\(a\cos(\omega t)+b\sin(\omega t)\)と言えます。

よって、ベクトルで表現された単純な波は、\((a, -b)\)と表現できます。

なお、黒色のベクトルである\(a\cos(\omega t)+b\sin(\omega t)\)は、cos波とsin波の足し合わせで作る単純な波より、角周波数が\(\omega\)の単純な波となります。