n型半導体とは、ドナー準位が伝導帯の近くに現れるドナーを真性半導体に加えたものです。
n型半導体のドナー準位にある束縛電子は、小さなエネルギーを得るだけで伝導帯に移ります。
よって、n型半導体のドナー準位の束縛電子は、常温でも伝導帯に移るための十分な熱エネルギーが得られ、自由電子(束縛の弱い伝導電子)となります。
n型半導体に電圧を加えると、この自由電子が主に移動し、電流となります。
真性半導体にドナーを加えると、ドナーの一部の価電子が共有結合されず、余ります。
この余った価電子は、ドナーの原子核からクーロン力により束縛されますが、その.力.は、共有結合の.力.よりも小さいです。
そして、n型半導体に熱エネルギーを加えると、励起により、余った価電子は、伝導帯に移ります。
これにより、余った価電子が受けるクーロン力はさらに弱くなり、自由電子となります。
n型半導体の電荷キャリアは、伝導電子と正孔です。
そして、ドナーの影響で多数キャリアが伝導電子、少数キャリアが正孔となります。
また、多数キャリアがマイナス(negative)の電荷なので、n型と呼びます。
n型半導体は、真性半導体よりも電流を流せるため、n型半導体の電気抵抗は、真性半導体より低いです。
また、n型半導体は、真性半導体と同様に、温度を上げると、電気抵抗が下がります。