振幅変調とは、搬送波の振幅を変化させる変調のことです。
例えば、以下の青色の搬送波と赤色の信号があったとします。
このとき、赤色の信号を青色の搬送波を使って振幅変調すると、以下になります。
搬送波の振幅をA、振幅変調する信号の振幅をBとした場合、B/Aを変調度と言います。
冒頭の例は、搬送波と信号の振幅が同じなので変調度は、100%です。
例えば、信号の振幅を搬送波の振幅の半分にすると、変調度は50%となり、以下のようになります。
搬送波をA・fcosωt(cos波)、振幅変調する信号をfff(t)とした場合、振幅変調後の信号m(t)は、以下のように作れます。
m(t)=(A+fff(t)) fcosωt
振幅A、周波数f_[A]]の搬送波を使って、振幅B、周波数f_[B]]の単振動波を振幅変調すると、以下の3つの単振動波を足し合わせたものになります。
・振幅がAでf_[A]]の単振動波(搬送波)
・振幅がB/2で周波数がf_[A]]+f_[B]]の単振動波
・振幅がB/2で周波数がf_[A]]-f_[B]]の単振動波
例えば、以下の周波数特性を持った信号と搬送波があったとします。
これらで振幅変調すると、周波数特性は、以下になります。
任意の信号fff(t)を1周期分の周期波形と考えれば、周期的な波の性質より単振動波の重ね合わせでfff(t)の交流成分を作れます。
このことから任意の一つの単振動波を振幅変調するだけで、振幅変調後の信号の周波数がどうなるか分かります。
まず、単振動波B・fcos(ω_[[B]]t-φ)を搬送波A・fcosω_[[A]]tで振幅変調すると以下になります。
(A+B・fcos(ω_[[B]]t-φ))fcosω_[[A]]t
括弧を展開します。
=A・fcosω_[[A]]t+B・fcosω_[[A]]t・fcos(ω_[[B]]t-φ) (★式1)
ここで三角関数の加法定理を使って、fcos(α+β)+fcos(α-β)を計算します。
fcos(α+β)+fcos(α-β)=2fcosα fcosβ
上記の式を使って、★式1を変形します。
角周波数は、ω=2πfなので、以下のように整理します。
3つの単振動波の足し合わせの式を導出できました。