離散コサイン変換(DCT)

離散コサイン変換とは、任意の離散時間信号を暗黙的に鏡像を作るように2倍の長さの線対称な離散時間信号に拡張し、その離散時間信号に対して離散フーリエ変換を行うことです。

離散コサイン変換の基本的な仕組みは、偶数個の線対称な離散時間信号に対する離散フーリエ変換と同じです。

離散コサイン変換では、\(N\)個で構成される離散時間信号を\(N\)個の実数に変換します。この\(N\)個の実数は、振幅スペクトルと言えます。

離散コサイン変換の方法は、いくつかの種類があります。

離散コサイン変換の振幅スペクトル

離散コサイン変換では、任意の離散時間信号を暗黙的に鏡像を作るように2倍の長さの線対称な離散時間信号に拡張するため、その拡張した離散時間信号を周期関数の1周期と捉えた場合、両端が滑らかに連続的に繋がります。

これにより、拡張した離散時間信号の両端で信号が急峻に変化しないため、離散コサイン変換の振幅スペクトルにおいて、高い周波数成分が減ります。

また、離散コサイン変換の振幅スペクトルは、実数の離散時間信号の離散フーリエ変換における振幅スペクトルの対称性における対称軸よりも低い周波数の振幅スペクトルとなります。