アンペールの法則

電流I [___A__]を適当な経路で囲ったとします。

この経路上をm [___Wb__](ウェーバ)の磁気を磁場の方向に1周させると、mの磁気に対して、電流Iが作る磁場がする仕事は、mI [___J__]になります。

これをアンペールの法則と言います。

なお、電流は直線である必要はありません。

複数の電流を囲んだ場合

例えば、電流I_[1]] [___A__]I_[2]] [___A__]を適当な経路で囲んだとします。

この経路上をm [___Wb__]の磁気を磁場の方向に1周させると、mの磁気に対して、I_[1]]I_[2]]が作る磁場がする仕事は、m(I_[1]]+I_[2]]) [___J__]になります。

もし、I_[1]]I_[2]]の電流の向きが逆方向で同じ大きさであれば、I_[1]]+I_[2]]=0となるため、mの磁気に対して、I_[1]]I_[2]]が作る磁場がする仕事は、0 ___J__になります。

電流を囲まない場合

電流を囲まない適当な閉じた経路があったとします。

この経路上をm [___Wb__]の磁気を1周させると、mの磁気に対して、電流Iが作る磁場がする仕事は、0Jです。

アンペールの法則より、mI=0となるため、I=0です。

仕事の観点から0Jになる理由

ある物体をFの.力.を加えて、距離x動かしたとします。その後、ーFの.力.を加えて、逆方向にx動かして、元の位置に戻したとします。

このとき、.力.がした仕事は、Fx-Fx=0となります。

上記で0Jとなるのは、これと同じで、電流を1周せずに元の位置に戻ったためです。

囲む電流と囲まない電流があった場合

電流I_[2]] [___A__]を適当な経路で囲み、電流I_[1]] [___A__]を囲まなかったとします。

この経路上をm [___Wb__]の磁気を磁場の方向に1周させると、mの磁気に対して、I_[1]]I_[2]]が作る磁場がする仕事は、mI_[2]] [___J__]になります。

直線に流れる電流が作る磁場との関係

十分に長い直線の導線に電流I [___A__]が流れている場合、電流からr [___m__]離れた位置における磁場の強さH [___N/Wb__]は、H=I/2πrです。(直線に流れる電流が作る磁場より)

よって、2πrH=Iが成り立ちます。両辺にm [___Wb__]を掛けると、2πr・mH=mIとなります。

mHの単位はN(ニュートン)であり、2πrは円周の長さなので、2πr・mHは、円を1周した場合に、電流Iが作る磁場がした仕事W [___J__]であることが分かります。

2πr・mH=mIなので、W=mIでもあります。アンペールの法則と一致しています。