対数とは、べき乗の指数で数を表現することです。
例えば、\(2^3=8\)を対数で表すと、\(\log_2 8=3\)になります。\(\log_2 8\)は、2を何乗したら8になるかを表しています。
なお、\(\log_2 8=3\)の2の位置にある数のことを対数の底、8の位置にある数のことを対数の真数、3の位置にある数のことを対数値と言います。
例えば、順に2倍されていく以下の数列があったとします。
256, 512, 1024, 2048, 4096, 8192, 16384, 32768
この数列を\(\log_2\)の対数値で表現すると、以下になります。
8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15
数の変化が8〜15と小さくなりました。また、順に2倍していく部分が順に+1していくことに変わっています。
\(\log_2\)の対数において、プラス1することは2倍すること、マイナス1することは\(\displaystyle\frac{1}{2}\)倍することを意味します。
例えば、順に2倍されていく以下の数列があったとします。
256, 512, 1024, 2048, 4096, 8192, 16384, 32768
この数列を\(\log_{10}\)の対数値で表現すると、以下になります。
2.408…, 2.709…, 3.010…, 3.311…, 3.612…, 3.913…, 4.214…, 4.515…
数の変化が2.408…〜4.515…と小さくなりました。また、順に2倍していく部分が順に+約0.301していくことに変わっています。
\(\log_{10}\)の対数において、プラス1することは10倍すること、マイナス1することは\(\displaystyle\frac{1}{10}\)倍することを意味します。
このように、対数を利用すると、大きな数の変化を小さくし、掛け算を足し算や引き算で表現できます。
対数の底は、正数かつ1ではない数である必要があります。
対数の真数は、正数である必要があります。
つまり、\(\log_a b\)であれば、\(a\neq 1\)かつ\(a>0\)かつ\(b>0\)です。
例えば、\(\log_1 3\)の答えは何でしょうか。1は何乗しても1なので\(\log_1 3\)は存在しません。また、\(\log_1 1\)は存在しますが、答えが無数にあります。答えが定まらないため、対数の底は1ではない数である必要があります。
例えば、\(\log_0 3\)の答えは何でしょうか。0は何乗しても0なので\(\log_0 3\)は存在しません。また、\(\log_0 0\)は存在しますが、答えが無数にあります。
では、\(\log_{-2}-8\)はどうでしょうか。答えは3です。しかし、\(\log_{-2} 8\)は存在しません。
答えが定まらないため、対数の底は正数である必要があります。
例えば、\(\log_2 0\)の答えは何でしょうか。2を0にできるべき乗は存在しません。また、\(\log_2 -4\)も存在しません。答えが定まらないため、対数の真数は正数である必要があります。
対数は、以下の変形が可能です。
\[\log_a (bc)=\log_a b + \log_a c\]
\[\log_a \frac{b}{c}=\log_a b - \log_a c\]
\[\log_a b^{\,p}=p \log_a b\]
\[\log_a b=\frac{\log_c b}{\log_c a}\]