コンデンサーの合成容量

コンデンサーの合成容量とは、複数のコンデンサーを接続した際の合計の静電容量のことです。

コンデンサーの接続方法は、並列接続直列接続があります。

並列接続は、主に静電容量を大きくするために用います。一方、直列接続は、主にコンデンサーの耐電圧を大きくするために用います。

並列接続による合成容量

静電容量がC_[1]]C_[2]]の二つのコンデンサーを以下のように並列接続した場合、合成容量は、C_[1]]+C_[2]]となります。

同様に、n個のコンデンサーを並列接続した場合の合成容量は、C_[1]]+C_[2]]+…+C_[n]]となります。

導出方法

C_[1]]のコンデンサーに蓄えられる静電容量は、C_[1]]Vです。C_[2]]のコンデンサーに蓄えられる静電容量は、C_[2]]Vです。

よって、二つのコンデンサーに蓄えられる静電容量は、C_[1]]V+C_[2]]Vです。Vでくくると、(C_[1]]+C_[2]])Vとなります。

なので、二つのコンデンサーに蓄えられる静電容量は、C_[1]]+C_[2]]と言えます。

直列接続による合成容量

静電容量がC_[1]]C_[2]]の二つのコンデンサーを以下のように直列接続した場合、合成容量は、となります。

同様に、n個のコンデンサーを直列接続した場合の合成容量は、となります。

導出方法

以下の電気回路にVの電圧を加えた際に、静電誘導により、C_[1]]のコンデンサーの上側の電極板に電気量qC_[2]]のコンデンサーの下側の電極板に電気量ーqの電荷が現れたとします。

すると、静電誘導により、C_[1]]のコンデンサーの下側の電極板に電気量ーqC_[2]]のコンデンサーの上側の電極板に電気量qの電荷が現れます。

よって、二つのコンデンサーは、それぞれqの電荷が溜まります。このとき、C_[1]]のコンデンサーの両端の電位差はq/C_[1]]C_[2]]のコンデンサーの両端の電位差はq/C_[2]]となります。なので、以下の式が成り立ちます。

合成容量をCとすると、CV=qの関係となるため、V=q/Cとなります。よって、以下の式を得られます。

分子と分母をひっくり返すと以下になります。

導出できました。

直列接続時の電位差の比

二つのコンデンサーを直列接続した際に、それぞれV_[1]]V_[2]]の電位差が発生したとします。

すると、静電容量と電位差の比は、以下になります。

同様に、n個のコンデンサーを直列接続した際の静電容量と電位差の比は、以下になります。

直列接続したコンデンサーに加えた電圧Vは、上記の比で分散されるため、合成したコンデンサーの耐電圧は大きくなります。